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【自閉スペクトラム症】特徴と薬と接し方 [病気]

 小児期の自閉スペクトラム症について、筑波大学副学長で人間系教授の小児科医である宮本信也先生のプレスセミナーを聞いてきたので紹介したい。自閉スペクトラム症の子どもとの接し方なども詳しく解説してくれたぞ。

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今は「障害」は使わない
 生まれつき脳の一部の機能が通常と異なっているために、日常生活や対人交流などがスムーズにできない状態を神経発達症という。いわゆる「発達障害」だが、2014年から「障害」という言葉は使わず、「症」を使用することになっている。現在はその移行期で、「障害」と「症」の両方が使用されている。つまり、神経発達症の一つである「注意欠如・多動症」と「注意欠如・多動障害」は同じ状態を指す言葉なのだ。宮本氏は、神経発達症は「病気」ではなく、その人の「特徴」だと指摘している。
 自閉スペクトラム症とは、いわゆる自閉症のこと。ASDと呼ぶこともある。アメリカの精神医学会から『Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM)』という精神疾患の手引書が発行されているが、2013年に発行された改訂第5版で「自閉スペクトラム症」という疾患名が作られた。これは、従来の広汎性発達障害、自閉性障害、アスペルガー障害などに分類されていた病態を一つに統合したものなのだ。なので、アスペルガー障害などは、ひと昔前の病名ということになる。

特徴は「自己主張が強く、冗談が通じない」
 自閉スペクトラム症の発症率は1%(100人に1人)で、男の子に多い。主な特徴は▽自分のやりたいことを主張する▽言いたいことを一方的に話す▽ああ言えばこう言うタイプ▽冗談・皮肉が通じない▽融通性がない「0か1か」の考え方が多い▽規則・決まりを守ることを強要する――など。こう見ると、「こんな人たくさんいるよ」となるが、宮本氏によると、これらの行動問題が表れる頻度が高く、日常生活や社会生活に支障を来している場合が、自閉スペクトラム症にあたるとのこと。行動問題が週3日以上表れる場合、薬物治療を行うとのことだ。
 些細なことでイライラしてしまうことを「易刺激性」というが、自閉スペクトラム症の子どもは、易刺激性が強い子どもが多いことが示されている。この自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に関しては、リスペリドンとアリピプラゾールという抗精神病薬がある。というか、自閉スペクトラム症の薬は、易刺激性が強い子ども向けの薬しかないのが現状だ。イライラしやすい子どもには薬が効くが、その他の行動問題、例えば▽特定の人への過剰反応(攻撃)▽固執性・こだわりが強い――といったタイプの自閉スペクトラム症の子どもには、薬の効果はあまり期待できないとのこと。
 さて、自閉スペクトラム症で本当に大変なことの一つは「話が通じないこと」だという。話がかみ合わず、我々からすると見当違いの答えや訴えをすることが多い。宮本氏は、こんな一例を挙げた。
 ある自閉スペクトラム症の子どもが、自分の母親を「手抜きだ」と非難している。その理由は、食事に野菜を出さないからだ。しかし、その母親は、サラダを出しているし、お味噌汁の中にも野菜を入れており「何を言っているのかわからない」と困惑している。宮本氏がいろいろと話を聞たところ、この子どもはキャベツが野菜だと認識していたそうである。もちろんキャベツは野菜の一種なのだが、この子どもはそうではなく「野菜=キャベツ」だと認識していたのだ。子どもと言っても、高校生だとのこと。

配慮のしかた
 宮本氏がいうことには、自閉スペクトラム症の子どもは「概念」を理解できないという。「概念」とは「同類」のこと。私たちは、柴犬もブルドッグもゴールデンレトリバーも「犬」だとわかるが、犬の概念を説明せよと言われると言葉に詰まる。何となく見分けがつくとしか言いようがない。この「何となく見分けがつく」ことが自閉スペクトラム症の子どもはできないのだ。
 そこで宮本氏は、自閉スペクトラム症の子どもに対する配慮のポイントをいくつか挙げている。具体的には①省略しない完全な文章で話すこと。主語と目的語を付け、具体的な表現を付ける。「それ取って」ではなく、「〇〇君、そのコップを私に渡して」といった感じ。また、冗談は控え、皮肉は言わないこと。②命令形・大声を避けること。命令されると反発しやすいので、「~しなさい」ではなく「~しよう」とった感じ。また、「ダメ」とか「違う」といった否定的な表現は使わず、「そういうときはこうしよう」みたいな肯定的な表現を使うようにする。基本的に穏やかにていねいに話すといい。③当たり前のことをきちんと説明すること。「常識的」「見ればわかる」こともで、その都度説明する。その場の状況を「5W1H」で説明するようにし、10回は繰り返し説明するつもりで、とのこと。

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